介護士として働いていると、「もう辞めたい」と思う日はあります。
それは甘えではなく、今の職場や働き方に無理が出ているサインかもしれません。
私自身、介護現場に6年いて、後半は管理職としてスタッフの相談や退職対応にも関わってきました。現場にいた頃は「もう無理かも」と感じる側でしたし、管理職になってからは「なぜこんなに辞めたい人が多いのか」を運営側から見てきました。
この記事では、介護士が辞めたいと感じる本当の理由と、今すぐできる対処法を現場目線で整理します。
この記事でわかること
- 介護士が辞めたいと感じる主な原因
- 辞めたい気持ちを放置するリスク
- 現場で実践できる具体的な対処法
- 転職すべきかどうかの判断基準
介護士が辞めたいと思うのは珍しいことではない
辞めたいと思うのは、弱いからではなく、限界に近づいているサインです。
介護の仕事は、身体介助だけではありません。利用者さんや家族への対応、記録、申し送り、委員会、シフト、人手不足の穴埋めまで、目に見えない負担が積み重なります。
介護労働安定センターの令和6年度調査では、介護職の悩みとして「人手が足りない」が49.1%で最も多く、次いで「仕事内容のわりに賃金が低い」が35.3%、「身体的負担が大きい」が24.6%でした。現場のしんどさは、個人の気持ちの問題ではなく、業界全体の構造的な課題でもあります。
管理職として施設を見ていたとき、つらそうだったスタッフほど、まじめで責任感が強い人でした。
「迷惑をかけたくない」「自分が我慢すれば回る」と思う人ほど、限界まで抱え込みやすいです。

「辞めたいけど、今辞めたら逃げたことになる気がする」



その考え方が一番危ないです。
管理職として現場を見てきましたが、限界まで我慢した人ほど、その後の回復に時間がかかります
介護士が辞めたいと感じる原因は大きく3つ
辞めたい原因は、あなたの性格ではなく、職場の条件にあることが多いです。
1. 人手不足で仕事量が多すぎる
介護現場では、人員がぎりぎりのまま回っている職場が少なくありません。
厚生労働省は、第9期介護保険事業計画に基づく推計として、介護職員は2026年度に約240万人、2040年度に約272万人必要で、2022年度比でそれぞれ約25万人、約57万人の確保が必要だとしています。人手不足は、一つの施設だけの問題ではなく、今後も続く前提で考えるべき課題です。
現場にいた私も、夜勤明けでそのまま委員会、急な欠勤対応、記録の残業が重なると、「仕事が終わらない」のではなく「終わらせる前提が無理」と感じていました。
管理職時代も、欠員が出ると一気に現場の空気が悪くなるのを何度も見ました。人が足りない職場では、優しさより消耗が先に来ます。
2. 給料と負担のバランスが合わない
厚生労働省の令和6年度調査では、介護職員の平均給与額は月額33万8,200円で、前年より1万3,960円増えています。一方で、これは「月給・常勤」「手当と一時金を含む平均」であり、夜勤回数や施設種別、雇用形態によって体感は大きく変わります。介護福祉士保有者は35万50円、資格なしは29万620円と、資格による差も出ています。
数字だけ見ると上がっているように見えても、現場では「仕事量が増えたわりに楽になっていない」と感じやすいです。
特に、夜勤あり、委員会あり、指導係ありでこの水準だと、「この負担でこの給料か」と感じるのは自然です。
3. 人間関係と運営方針が合わない
厚生労働省の介護人材確保に関する資料では、介護職の主な離職理由として「職場の人間関係に問題があったため」が最も多く、次いで「法人や施設、事業所の理念や運営のあり方に不満があったため」が続いています。
これは現場感覚ともかなり一致します。
介護の仕事そのものが嫌で辞める人より、「この職場では続けられない」と感じて辞める人のほうが多いです。
私が管理職だったときも、退職理由として表向きは「家庭の事情」と言われても、実際には
・特定の職員との関係
・上司への不信感
・シフトや評価の不公平感
このあたりが根っこにあることがよくありました。
辞めたい気持ちを放置するとどうなるか
一番危ないのは、辞めたいのに慣れてしまうことです。
最初は「最近つらいな」だったのに、そのうち
- 出勤前に動けない
- 夜勤前に胃が痛い
- 利用者さんに優しくできない自分がつらい
- 休みの日も仕事のことばかり考える
という状態になります。
ここまで来ると、冷静な判断ができません。
本来なら職場を変えれば解決する問題でも、「自分は介護に向いていない」と必要以上に自分を責めてしまいます。
介護労働安定センターの令和6年度調査でも、「賃金水準」や「人員配置体制」は満足度がマイナスで、働く人が構造的な不満を感じていることが示されています。つまり、つらさの原因があなた個人にあるとは限らないのです。
介護士が辞めたいときにやるべき対処法
辞めるか続けるかの前に、まず環境と負担を切り分けてください。
対処法1 今の悩みを言語化する
まずは「辞めたい」の中身を分けます。
辞めたい理由が曖昧なままだと、次の職場でも同じ失敗をしやすいです。
| 悩みの種類 | よくある内容 | 対処の方向性 |
|---|---|---|
| 人間関係 | 上司が高圧的、陰口、相談しにくい | 異動、相談、転職の優先度高 |
| 業務量 | 人手不足、残業、休憩が取れない | 職場改善交渉、転職検討 |
| 給料 | 夜勤込みでも低い、昇給が少ない | 資格取得、施設変更、転職 |
| 体力面 | 腰痛、夜勤疲れ、睡眠不足 | 配置変更、日勤職場の検討 |
| 価値観 | 施設方針が合わない、ケア観が違う | 無理に合わせず環境変更 |
対処法2 すぐ辞表を書かず、比較材料を集める
辞めたいときほど、今の職場しか見えなくなります。
でも大事なのは、「介護を辞めるか」ではなく「この職場を辞めるか」を分けて考えることです。
私の経験上、特養が合わなかった人がデイサービスで落ち着くこともあれば、施設が合わなかった人が訪問で生き生きすることもあります。
同じ介護職でも、働き方が違えばしんどさはかなり変わります。
| 働き方 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 夜勤あり、身体介助多め、長期ケア中心 | 介護技術を深めたい人 |
| デイサービス | 日勤中心、レクや送迎あり | 生活リズムを整えたい人 |
| 訪問介護 | 1対1の支援、移動あり | 人間関係のストレスを減らしたい人 |
| 老健 | 在宅復帰支援、リハ職連携が多い | 多職種連携が好きな人 |
対処法3 限界サインがあるなら、早めに逃げ道を作る
次の状態があるなら、我慢より先に退職や転職準備を考えたほうがいいです。
- 出勤前に涙が出る
- 休みでも回復しない
- 夜勤後の体調不良が続く
- 利用者さんへの対応に影響が出ている
- 上司に相談しても改善されない
ここは本当に大事です。
管理職として見ていても、壊れてから休職する人より、少し早めに動いた人のほうが、その後立て直しやすいです。
介護士が辞めるべきか迷ったときの判断基準
辞めるかどうかは、つらいかどうかより、改善の余地があるかで決めるべきです。
次の表で判断してみてください。
| 状況 | すぐ退職検討 | もう少し様子見 |
|---|---|---|
| 人間関係 | ハラスメント、相談不能 | 一部相性問題、相談先あり |
| 業務量 | 慢性的に危険、休憩なし | 一時的に忙しい |
| 給料 | 昇給見込みなし、説明なし | 条件改善の余地あり |
| 体調 | 不眠、頭痛、食欲低下 | 休めば回復する |
| 施設方針 | 納得できないケアが続く | 話し合いの余地あり |
私なら、
「相談しても変わらない」
「体調に出ている」
「人間関係が明らかに悪い」
この3つがそろったら、無理に残りません。
今日からできる具体的なアクション
人生を変えるのは、退職届より先にやる小さな整理です。
以下を1週間でやってみてください。
- 辞めたい理由を3つ書き出した
- その理由が職場固有か、介護職全体かを分けた
- 上司や信頼できる先輩に一度は相談した
- 夜勤回数、残業時間、休憩の実態をメモした
- 他施設の求人を3件だけ見た
- 今の給与と他施設の条件を比べた
- 体調不良があるなら受診を検討した
このチェックをやるだけでも、「ただ苦しい」状態から「判断できる」状態に変わります。
まとめ
介護士が辞めたいと思う理由は、気合い不足ではありません。
人手不足、給料と負担の不一致、人間関係や運営方針のズレ。こうした構造的な問題が重なると、どれだけ真面目な人でも苦しくなります。
介護現場に6年いた私が正直に言うと、無理して続けることが正解とは限りません。
むしろ、自分に合う職場を選び直したほうが、介護の仕事を嫌いにならずに済むことも多いです。
あなたが辞めたいのは、介護が嫌いだからではなく、今の働き方が合っていないだけかもしれません。
介護の転職を考えているなら、まず情報収集から
今の職場に悩んでいるあなたへ。
一人で抱え込まないでください。
介護専門の転職サービスを使えば、非公開求人を含む全国の求人から、あなたに合った職場を無料で探してもらえます。
👉 介護ワーカーで無料相談する(すぐに環境を変えたい人向け)
👉 カイゴジョブで求人を検索する(まずは求人数を見たい人向け)
👉 マイナビ介護職で求人を見る(大手で安心して探したい人向け)
※登録・相談はすべて無料です。
担当者に「こんな職場を探している」と伝えるだけでOKです。
※現在リンク準備中です。公開後に追加します。





コメント