重度訪問介護員(重訪)とは?1日の流れ・年収・3日で取れる研修まで

重度訪問介護員(重訪)とは?1日の流れ・年収・3日で取れる研修まで

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重度訪問介護員(じゅうどほうもんかいごいん)、現場では「重訪(じゅうほう)」と呼ばれる介護の仕事をご存知でしょうか。身体障がいの重い方に対して、長時間(8時間〜24時間)にわたり生活全般を支援する専門的な訪問介護です。

一般的な訪問介護(ヘルパー)が1回1時間程度の単発訪問なのに対し、重訪は1人の利用者に長時間つきっきりで支援するため、関係性の深さも、業務の濃さも全く違うジャンルになっています。

管理職として施設運営に関わっていた頃、施設介護に疲れて重訪に転向した職員を何人も見送ってきました。「もう一度、人の役に立つ実感を取り戻したい」と話す彼らの背中は晴れやかで、施設介護とは違う充実感があるのを感じました。

この記事では、重訪の仕事内容・1日の流れ・年収・必要な研修・向いてる人を、現場経験者の目線で本音解説します。

目次

重度訪問介護員の仕事内容

重訪の業務範囲は広く、身体介助(食事・入浴・排泄)、家事援助、外出同行、見守り、医療的ケアの一部まで含みます。利用者は脳性麻痺・脊髄損傷・ALS・筋ジストロフィーなどの重度障がい者の方が中心です。

1人の利用者に長時間つきっきりになるので、利用者本人だけでなくご家族との信頼関係も重要になります。「この人だから安心して任せられる」という関係性を築けると、長期間同じ利用者を担当することも珍しくありません。

重度訪問介護員の1日の流れ

日勤の場合(8時間勤務の例)

  • 8時 出勤・利用者宅へ:前夜の様子を引き継ぎ
  • 9時〜12時 身体介助・家事援助:朝食介助、整容、洗濯
  • 12時 食事介助:昼食
  • 13時〜15時 自由時間支援:テレビ視聴のサポート、会話
  • 15時 外出同行:買い物・通院など
  • 16時 見守り・記録:日報記入、引き継ぎ
  • 17時 退勤

夜勤・宿泊型の場合(16〜24時間)

夕方〜翌朝、または24時間連続で1人の利用者を担当。仮眠を取りながら見守り+必要に応じて介助。長時間ですが、時給で働く場合は1日3〜4万円稼げるケースもあります。

管理職時代、重訪に転向した元職員が「夜勤の単発バイトで月30万円稼げた」と話していました。施設介護の月収に近い金額を、月10日程度の出勤で稼げる計算になります。

重度訪問介護員の年収・働き方の選択肢

働き方は大きく分けて3パターン。

① 正社員

月収22〜28万円・年収280〜360万円が中心。施設介護と同水準ですが、夜勤手当や深夜手当が手厚い事業所もあります。

② 登録ヘルパー(時給)

時給1,400〜1,800円が相場。夜勤帯は1,800〜2,200円になる事業所も。自分のシフトを組めるので、副業・子育てとの両立がしやすいのが特徴です。

③ 業務委託(フリーランス)

一部の事業所では業務委託契約で重訪を任せるケースもあります。1人で1利用者を長期間担当する形になり、社会保険等は自己負担になりますが、収入は最も高くなる可能性があります。

必要な研修:重度訪問介護従業者研修

重訪ヘルパーになるには「重度訪問介護従業者研修」という研修の修了が必要です。3日程度(合計20時間)で取得可能で、初任者研修や実務者研修よりはるかにコンパクト。

「介護福祉士は遠いけど、何か資格を取って動きたい」という人や、「単発で稼ぎたい」「自分のペースで働きたい」という人に向いている資格です。

  • 受講期間:3日(20時間)
  • 費用:3〜5万円程度
  • カリキュラム:基礎課程+追加課程(喀痰吸引等の医療的ケア含む)
  • 修了後:すぐに重訪事業所で働ける

重訪のメリット3つ

① 1対1なので人間関係のストレスが少ない

施設介護のように複数のスタッフ・上司との関係に悩むことが少なく、利用者と1対1の関係。「人間関係に疲れて施設を辞めた」人が、重訪で介護を続けられるケースは多いです。

② 時間の融通が利きやすい

登録ヘルパーなら、自分のシフトを組みやすい。子育て・副業・趣味との両立もしやすいです。

③ 短時間で資格が取れる

3日で取得可能なので、「介護に興味があるけど初任者研修まで取る勇気がない」人の入口にも適しています。介護業界に飛び込む最初の一歩として優秀な選択肢です。

重訪のデメリット・注意点

良いことばかりではないので、注意点も率直に。

  • 1人で長時間担当する責任の重さ:判断ミスが直接利用者の安全に関わる
  • 医療的ケアが含まれる場合あり:研修だけでは対応できない場面も
  • 利用者との相性が業務の質を左右する:合わない利用者だと精神的にきつい
  • 事業所選びを間違えるとサポート不足:困ったときの相談先が乏しい事業所も

特に1〜2点目は、施設介護とは違う種類のプレッシャーがあります。始めは登録ヘルパーで様子を見て、慣れてから正社員化という流れが安全です。

向いている人・向いていない人

向いている人

  • 1対1の深い関わりを大切にしたい
  • 人間関係のストレスから離れたい
  • 自分のペースで働きたい
  • 短期間で資格を取って動きたい

向いていない人

  • チームで働く方が安心
  • 長時間1人での判断が苦手
  • 医療的ケアを学ぶ意欲が薄い
  • 利用者との関係構築に時間をかけられない

まとめ|介護のもう一つの選択肢

重度訪問介護員は、「施設介護とは違う関わり方をしたい人」「短時間の研修で動き始めたい人」「自分のペースで稼ぎたい人」に向いた仕事です。介護福祉士まで遠い気がする人にも入りやすい入口になっています。

管理職時代に重訪へ転向した元職員から、「人と深く関わる介護の原点に戻れた」という言葉をよく聞きました。施設介護で疲れた人にとって、もう一度介護を好きになるためのリセットボタンになることもあります。

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この記事を書いた人

介護現場と管理職の両方を経験したフリーランス。
現場でしか見えないリアルと、管理職だから知っている構造の話を、本音で発信しています。

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