「ケアマネを取れば給料が上がるって聞くけど、試験は難しいらしい」
——介護福祉士を取った次のキャリアを考え始めた人が、必ずぶつかる壁がケアマネ試験(介護支援専門員実務研修受講試験)です。
この記事では、ケアマネ試験の実際の難易度と、働きながら合格するための現実的な勉強法を、元施設管理職の目線でまとめます。合格者を何人も見送ってきた経験から、「落ちる人」と「受かる人」の違いもお伝えします。
ケアマネ試験の合格率|最新データで見る難易度
ケアマネ試験の合格率は、直近5年間で19〜23%前後を推移しています。介護福祉士の合格率(約70%)と比べると、一気に難易度が上がることが分かります。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
|---|---|---|---|
| 2020年度 | 46,415人 | 8,200人 | 17.7% |
| 2021年度 | 54,290人 | 12,662人 | 23.3% |
| 2022年度 | 54,406人 | 10,328人 | 19.0% |
| 2023年度 | 56,494人 | 11,844人 | 21.0% |
| 2024年度 | 53,699人 | 17,228人 | 32.1% |
2024年度は例外的に32%と跳ね上がりましたが、基本ベースは「5人受けて1人受かる」くらいの感覚です。介護系資格の中では、国家試験を除けば最難関クラスと考えて差し支えありません。
受験資格の変更点|2018年以降の「実務5年」ルール
2018年度からケアマネ試験の受験資格は大きく変わりました。現行ルールは次の通りです。
- 介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士などの国家資格保有者で、その資格に基づく実務経験が5年以上・900日以上
- または、相談援助業務(生活相談員・支援相談員など)に5年以上・900日以上従事
以前は「介護職員として5年」でも受験できましたが、今は国家資格+実務5年が必須です。つまり、介護職→介護福祉士→5年勤務→ケアマネ受験、という流れが標準ルートになります。
働きながら合格した人の勉強時間とスケジュール
合格者への聞き取りから、働きながら受かった人の勉強時間はトータル200〜300時間がボリュームゾーンです。週10時間ペースなら約半年、週15時間なら4〜5ヶ月の計算になります。
合格者の典型的な半年スケジュール
| 時期 | 学習内容 | 目安時間/週 |
|---|---|---|
| 4〜5月 | 基本テキストを1周(介護支援分野) | 8〜10h |
| 6〜7月 | テキスト2周目+保健医療・福祉サービス分野 | 10〜12h |
| 8月 | 過去問演習(5年分×2周) | 12〜15h |
| 9月〜試験前 | 模試+弱点復習+直前対策 | 15〜20h |
特に重要なのが、「過去問を最低5年分、2周以上」やることです。ケアマネ試験は出題傾向にクセがあり、過去問演習なしで受かるのは至難の業です。
独学 vs 通信講座|どちらが現実的か
仕事と家庭を抱えている人ほど、通信講座を使った方が合格率は上がります。独学で受かる人もいますが、それは「勉強の習慣が元からある人」か「介護支援分野に強い人」に限られる印象です。
独学が向いている人
- 生活相談員や主任クラスで、制度知識に日常的に触れている
- 毎日決まった時間に勉強する習慣がある
- 過去問を自力で分析できる(正答の根拠を調べるのが苦にならない)
通信講座が向いている人
- 現場職から初めて制度側の勉強をする
- 勉強のスケジュール管理が苦手
- 過去に試験勉強で挫折した経験がある
通信講座の費用は30,000〜60,000円が相場。合格すれば年収で数十万円変わる投資なので、費用対効果は高いと言えます。
ケアマネ資格を取ると給料はいくら上がるか
ケアマネになると、介護職時代と比べて年収で30〜80万円アップが一般的なレンジです。
| 勤務先 | 平均年収 | 備考 |
|---|---|---|
| 居宅介護支援事業所 | 380〜450万円 | 担当件数で歩合が付くことも |
| 施設ケアマネ(特養・老健) | 400〜480万円 | 夜勤なしで安定 |
| 地域包括支援センター | 420〜500万円 | 主任ケアマネ取得で上がる |
さらに、ケアマネは夜勤がない・身体介護がないため、体力的な負担が大幅に減るのが大きなメリットです。40代以降の長期キャリアを考えるなら、取っておく価値は十分あります。
落ちる人に共通する3つのパターン
管理職として何人もの受験者を見てきて、落ちる人にははっきりした共通点があります。
- 過去問を解くのが遅い:試験1ヶ月前に初めて過去問を見るタイプ。ほぼ落ちます
- 介護支援分野を後回しにする:配点が大きく、ここを捨てると合格基準に届かない
- 仕事のストレスを言い訳にする:夜勤明けでも15分だけでも開く習慣が合否を分ける
逆に受かる人は、「毎日少しずつでも触れる」を徹底しています。才能ではなく継続の勝負です。
ケアマネ以外の道として、現場のケアの幅を広げる園芸療法士などのレクリエーション系資格も検討できます。
まとめ|ケアマネは「取って終わり」ではない
ケアマネ試験は難関ですが、合格後のキャリアの選択肢が一気に広がります。現場介護を続けるにしても、一度離れて相談援助側に回るにしても、「介護福祉士の次」を用意しておくのは賢い投資です。
体力的な限界が来る40代以降、ケアマネの存在が「辞めずに続ける」選択肢を作ってくれます。いま30代で迷っているなら、受験資格が整った時点で動き出すことを強くおすすめします。


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